これでも通信制高校のキャンパス責任者です

通信制高校で働きながら、通信制高校の課題や気づきなどをアップしています。時々、自分の趣味の読書やマラソン、筋トレ、事業に関することなども記載しています。

仕事のサイクルも多様化している

早いもので10月中旬です
一年の早さを毎日実感しています
 
就職も進学も高校2年生へとシフトを始める事ですが、
まだ未決定の3年生にとってはそろそろ正念場となります
学校には様々な1年サイクルがあります
4月~3月の1年間は教務としての12か月
11月~10月は生徒募集としての1年間
1月~12月は就職や進学を考える1年間等々
 
担当している職員が、
それぞれの1年間を渡り歩きながら業務にあたっていますが
今どの1年で仕事をしているのか?
話をしているのか?
が、混在すると職員間でも話が通じません
 
教務と進路関係はリンクすることが多いのですが
上級学校のスケジュール
求人に合わせたスケジュールを重ね合わせると
全く違う一年間が出来上がります
 
生徒を混乱させてしまうこともありますが
先生によっても違う一年間で動いているので
今、何が目的で、何の話をしているのか?
そんなことも整理しながらの業務を行います
 
日本には1~12月までの1年間と
4月~3月までの年度という1年間があります
それ以上に仕事によってサイクルも違います
仕事の区切りを考え直さなければいけません
 

定員という現実は忘れた頃にやってくる

不登校や学習に不安のある中学生の受け皿として通信制高校の存在があります。
 
公立や私立をとりあえず受けてから通信制を考える
そんな段取りで学習に取り組む指導を行う場合もあります
まずは学習するきっかけ作りとして、
入試という機会を活用して指導を行う
絶好のチャンスであることは間違いありません
実際に結果に繋がった生徒さんも沢山いることと思います
 
昨今の通信制高校への進学希望者は多様性を増してきています
入試が終わったタイミングですと
定員に達してしまい、募集停止という事もありました
入試を待たずに通信制高校への進学を決める
そんな生徒が増えてきています
 
待っていたら入れなかった
そんな事も現実として起きている事を考えると
早めの決断、早めの決定が必要
そんなケースも想定しておかなければいけません
 
私たちの学校でも専門学校や大学への進学
就職活動で応募したいと思っても
定員に達した、募集はもう終わっているなど
チャンスを逃してしまうケースも多々あります
 
学校業では避けられない、この定員という現実
早めの判断と確認作業で避けられるなら
避けておきたい現実です
 

 

 

 

働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える

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親が口を出さないのが解決の第一歩

生徒間のトラブルは学校現場には付き物です。
言った言わない、好き嫌い、3人は無理4人にして・・・
もめようと思わなくても、もめるネタは無数に落ちています。
 
解決が早いパターンは生徒間で話し合いができる事、
罪だと相手を攻撃する前に、先に芽を摘んでおくことができれば、
経験として学ばせることができます。
 
解決に時間がかかるのは、親が口を出してくること。
自分の子供がかわいそうという感情論で、
親が口を出してくる場合は、長期化します。
 
親と学校の距離感が生徒自身にとっても大切です
体験入学や中学校訪問などをしていると、
不登校経験の生徒さんが、通学に心配する声を聴きます
でも、よく見ていると生徒さん自身はさほど心配していなく、
保護者さんの方が過剰に心配しているケースが多いように感じています。
もう高校生、まだ高校生・・・
どちらの表現も正解ですが、
ここはお子さん、生徒さんを信じてみてはいかがでしょうか?
そして、学校を信じてみてはいかがでしょうか?
 
学校が信頼できないとしても、
生徒さんと保護者がタッグを組んでも、
決して前向きな解決に繋がることはなさそうです。
学校との適度な距離感、生徒の様子は担任を通じて確認する
決してかわいそうとか、うちの子は的な感情論ではなく、
事実を確認することに徹する
保護者から見て、お子さんが可愛いように
私たち学校職員は生徒全員が可愛い存在です
1人だけではなく、全員に対して愛情を持っています
 
保護者の立場になって考えることもありますが、
保護者の方も先生の立場に立つ視線を持つことも大切です
参観日に保護者の方に先生体験をしていただこうかな??
 

 

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365

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転校はリクスだけれど選択肢としては必要だと思う

ここ数日、転校のお問合せが止まりません・・・
後期始まって、様子を見て、やっぱり駄目だった・・・
そんなニュアンスでお問合せが来るケースが多いなと感じています。
まだ、転校することを考える
転校することを提案してくれる先生がいる
そんな生徒さんは救われるかもしれません
お問合せの中には、既に高校を退学した方もいました
 
退学してしまったら、また1から始めることとなります
心機一転やり直したいんだという方も、
当然いらっしゃいますので一括りにはできませんが
退学してしまう前に、転校は検討できなかったのか?
そんな疑問が出てきます
 
転校はリクスです
私自身も幼稚園×2、小学校×2、中学校×2
と、転園転校を経験してきましたしが
高校の転校は比べ物にならないくらい
ご本人にとって頑張るポイントが多いはずです

 

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それでも、18歳で卒業できるという点で
18歳で次のステップに行けることが
転校する最大のモチベーションであり
転校に賭けてくる、その心境でもあるのだと思います
 
そこには精一杯答えなくてはいけない義務があります
選択肢として転校を考える、アドバイスができる
中には転校を一切認めていない高校もあるようですが
ご本人のためにも、自分たちの学校の課題を見直すためにも
転校は高校生に必要な選択肢であると思います
 

 

宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。

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転校生を出すことは足元を見直す義務もある

今年は転校生の多さに驚いています。
理由は様々ですが、同じ高校からまとめてやってくる事態に大変驚いています。
 
転校して来る理由は様々です。
学校がつまらない、他にやりたいことがある、授業についていけない、人間関係が厳しい等々
 
私の勤めている学校でも転校していく事はあります
それは、まるで職員が退職してしまうような
そんな喪失感があり、引き止めや面談を繰り返します
当然、そのような対策はしているのだと思いますが
改善されてこない様子が伺えて
果たして危機感はあるのか?疑問を感じます
 
転校してしまうということは
事業は色々ありますが、私たちの配慮が行き届かなかったことは事実です
多くの人が関わることで、アイデアが創出され
様々な角度や切り口からの対策が可能です
特効薬はないのですが、一つずつ取組む課題は見つかります
 
以前勤めていた専門学校は
コース別と学年別で担任がいる大規模校でした
その様子を見て、教室内では天下を握っているかのような
振る舞いをする職員がいて、疑問を感じたことがあります
そのクラスで起きている問題が表に出てくることはありません
出てきたときには手の施しようがないほど悪化しており、
退学や学費返還などの政治的力量が必要になっていました
 
今回の転校してくる方たちを見ていても
同じような空気感があります
とにかく事務的、手続きさえ終わればOKとの雰囲気
 
反面教師として、勉強させていただいております
手間はかかりますが、省略してはいけない手間
ここを見極めるのが教員であり管理職であると感じます
 

 

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会社を強くする多角化経営の実戦

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セミナーに参加してもらうことで2つの効果が確認できます

不登校との向き合い方を問うセミナーや講演の案内が増えてきました。
その中には、営業色が強いものもありますが、
真剣に向き合うべく勉強会が開かれています。
 
主催や講師も数多く存在し、
果たしてどれが最適なのかが分からなくなっている状態。
生徒によっても必要な対処方法が違いますので、
広く知識を得ておいて、
取捨選択する方がいいのだと思っています。
私も案内が来るたびに複数の職員に講演への出席を依頼し、
学んできたことを他の職員にフィードバックしてもらいます
どこかの団体や先生とタイアップする事も考えましたが
1つの方法に偏ってはいけないのかなと思っています。
 
職員のスキルアップにも時間をかけて取り組んでいますが
カウンセラーの講習会にも参加してもらっています
不登校だけではなく、集団行動ができない、
じっとしていられない、他人との関わりができないなど
様々な事例を想定し、その講演にはなるべく参加してもらっています。
 

 

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

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学ぶ事に積極的でなければ務まりませんが、
学んでくる視点が学園のためか?自分のためか?
で、聞こえてくることも書いてあるメモも変わってきます
この講演会への参加を通じて
学校としてのボトムアップ
職員の学校に対する姿勢
 
私はこの2つを目的としています

 

【新版】動機づける力―モチベーションの理論と実践 (Harvard Business Review Anthology)

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私の勤める学校にも・・・ヤングケアラー問題

先日、ヤングケアラーのラジオを聞いたと書きました
私の勤めている学校でも、ヤングケアラーはいるのかな?と
生徒の顔写真を一人ずつ眺めてみました
数名、やはり思い当たる生徒がいます

 

 


母子家庭で母親の両親と同居
生徒から見ると祖父祖母ですが、面倒を見るために登校できない
精神的に登校することに対するプレッシャーも強く感じてしまい
結局退学することとなる、学費の支払いも厳しそう

同じく母子家庭で母親と祖母、妹2人と同居
母親が仕事に出るため、家事は全て高校生の長女が行う
家の事で学校の課題をする時間がないのと
就職活動をしても働く時間より家事の時間が優先になることから
就職せずに卒業、卒業までは何とかこぎつけた

両親と生徒本人、0歳と2歳の兄妹と同居
両親が仕事に出ることから、生徒が小さい兄妹の面倒を見る
自宅から出ることができずに、結局退学する
育児のために保育園や両親が育休を取ることも提案したが
金銭的な理由でできないと結論、両親ともパートタイマー

まだまだ実例が出てきそうです
通信制高校は通学する日数が限られているので
そこさえクリアできれば、家の仕事をこなすだけの時間はあります
そこにワーキングプアの問題も重なってくる事が多く
根深い社会問題の構造が見えました

ヤングケアラーの一助となるのも私たちのような
通信制高校の職責であると感じました
具体的な解決方法を考えていきたいと思います