これでも通信制高校のキャンパス責任者です

通信制高校で働きながら、通信制高校の課題や気づきなどをアップしています。時々、自分の趣味の読書やマラソン、筋トレ、事業に関することなども記載しています。

転校はリクスだけれど選択肢としては必要だと思う

ここ数日、転校のお問合せが止まりません・・・
後期始まって、様子を見て、やっぱり駄目だった・・・
そんなニュアンスでお問合せが来るケースが多いなと感じています。
まだ、転校することを考える
転校することを提案してくれる先生がいる
そんな生徒さんは救われるかもしれません
お問合せの中には、既に高校を退学した方もいました
 
退学してしまったら、また1から始めることとなります
心機一転やり直したいんだという方も、
当然いらっしゃいますので一括りにはできませんが
退学してしまう前に、転校は検討できなかったのか?
そんな疑問が出てきます
 
転校はリクスです
私自身も幼稚園×2、小学校×2、中学校×2
と、転園転校を経験してきましたしが
高校の転校は比べ物にならないくらい
ご本人にとって頑張るポイントが多いはずです

 

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それでも、18歳で卒業できるという点で
18歳で次のステップに行けることが
転校する最大のモチベーションであり
転校に賭けてくる、その心境でもあるのだと思います
 
そこには精一杯答えなくてはいけない義務があります
選択肢として転校を考える、アドバイスができる
中には転校を一切認めていない高校もあるようですが
ご本人のためにも、自分たちの学校の課題を見直すためにも
転校は高校生に必要な選択肢であると思います
 

 

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転校生を出すことは足元を見直す義務もある

今年は転校生の多さに驚いています。
理由は様々ですが、同じ高校からまとめてやってくる事態に大変驚いています。
 
転校して来る理由は様々です。
学校がつまらない、他にやりたいことがある、授業についていけない、人間関係が厳しい等々
 
私の勤めている学校でも転校していく事はあります
それは、まるで職員が退職してしまうような
そんな喪失感があり、引き止めや面談を繰り返します
当然、そのような対策はしているのだと思いますが
改善されてこない様子が伺えて
果たして危機感はあるのか?疑問を感じます
 
転校してしまうということは
事業は色々ありますが、私たちの配慮が行き届かなかったことは事実です
多くの人が関わることで、アイデアが創出され
様々な角度や切り口からの対策が可能です
特効薬はないのですが、一つずつ取組む課題は見つかります
 
以前勤めていた専門学校は
コース別と学年別で担任がいる大規模校でした
その様子を見て、教室内では天下を握っているかのような
振る舞いをする職員がいて、疑問を感じたことがあります
そのクラスで起きている問題が表に出てくることはありません
出てきたときには手の施しようがないほど悪化しており、
退学や学費返還などの政治的力量が必要になっていました
 
今回の転校してくる方たちを見ていても
同じような空気感があります
とにかく事務的、手続きさえ終わればOKとの雰囲気
 
反面教師として、勉強させていただいております
手間はかかりますが、省略してはいけない手間
ここを見極めるのが教員であり管理職であると感じます
 

 

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セミナーに参加してもらうことで2つの効果が確認できます

不登校との向き合い方を問うセミナーや講演の案内が増えてきました。
その中には、営業色が強いものもありますが、
真剣に向き合うべく勉強会が開かれています。
 
主催や講師も数多く存在し、
果たしてどれが最適なのかが分からなくなっている状態。
生徒によっても必要な対処方法が違いますので、
広く知識を得ておいて、
取捨選択する方がいいのだと思っています。
私も案内が来るたびに複数の職員に講演への出席を依頼し、
学んできたことを他の職員にフィードバックしてもらいます
どこかの団体や先生とタイアップする事も考えましたが
1つの方法に偏ってはいけないのかなと思っています。
 
職員のスキルアップにも時間をかけて取り組んでいますが
カウンセラーの講習会にも参加してもらっています
不登校だけではなく、集団行動ができない、
じっとしていられない、他人との関わりができないなど
様々な事例を想定し、その講演にはなるべく参加してもらっています。
 

 

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学ぶ事に積極的でなければ務まりませんが、
学んでくる視点が学園のためか?自分のためか?
で、聞こえてくることも書いてあるメモも変わってきます
この講演会への参加を通じて
学校としてのボトムアップ
職員の学校に対する姿勢
 
私はこの2つを目的としています

 

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私の勤める学校にも・・・ヤングケアラー問題

先日、ヤングケアラーのラジオを聞いたと書きました
私の勤めている学校でも、ヤングケアラーはいるのかな?と
生徒の顔写真を一人ずつ眺めてみました
数名、やはり思い当たる生徒がいます

 

 


母子家庭で母親の両親と同居
生徒から見ると祖父祖母ですが、面倒を見るために登校できない
精神的に登校することに対するプレッシャーも強く感じてしまい
結局退学することとなる、学費の支払いも厳しそう

同じく母子家庭で母親と祖母、妹2人と同居
母親が仕事に出るため、家事は全て高校生の長女が行う
家の事で学校の課題をする時間がないのと
就職活動をしても働く時間より家事の時間が優先になることから
就職せずに卒業、卒業までは何とかこぎつけた

両親と生徒本人、0歳と2歳の兄妹と同居
両親が仕事に出ることから、生徒が小さい兄妹の面倒を見る
自宅から出ることができずに、結局退学する
育児のために保育園や両親が育休を取ることも提案したが
金銭的な理由でできないと結論、両親ともパートタイマー

まだまだ実例が出てきそうです
通信制高校は通学する日数が限られているので
そこさえクリアできれば、家の仕事をこなすだけの時間はあります
そこにワーキングプアの問題も重なってくる事が多く
根深い社会問題の構造が見えました

ヤングケアラーの一助となるのも私たちのような
通信制高校の職責であると感じました
具体的な解決方法を考えていきたいと思います

 

転校生への就職や進学支援

高校を転校する
その後の進学や就職に不利になるというブレーキは効かなくなったと思います。
実際に進学するにあたっては、転校したからと言って減点の対象となるか?と
言えば全くなっていないように感じます。
むしろ、送り出す側の私たちからすると、
しっかりそこを伝えて、今はこれだけの事ができるようになたっと、
自己PRの素材として活用する事もあります。

メリットとしてとらえている訳ではありません。
これができるのも、その生徒の気質によるという条件がありますが、
転校してきて、そこから本当に頑張ってくれる生徒が数多くいます。
そんな生徒達は、むしろアピールするべきだと思います。
大学によっては、通信制高校はAO出願を認めていない所もありますが、
それは大学側にとってもメリットがあるとは思えません。
むしろ差別的な要因にすら感じます。
就職は少し工夫が必要です。
ストレートな面接を心がけて、何か入れ知恵があるような応答は一切行いません。
転入してくる時、前籍校での出来事を深堀することはないのですが、
就職の面接では、少し深堀して自己分析に役立てています。

案外、人となりを伝える真実が見つかるものです。
そこに自己分析などの要素を加えて、自己PRや志望動機を作っていきます。
それぞれやり方は無数にあります
その工夫が私たちの最も強味であり、得意とするサポート内容であると考えます。

 

 

キャリアコンサルタントのためのカウンセリング入門

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通信制高校への偏見にも戦う義務があると思う毎日

通信制高校の社会的役割が変わってきている実感があります
以前は学校に行けない、学力不振、社会への不適応など
ネガティブな要素の受け皿という印象が強かったと思います
私が高校生の頃は、そのような印象でした

働いているというひいき目があることが前提ですが
実際に通学している生徒は違います
社会的不適応にみられているかもしれませんが
中学校という場所に不適応なだけで
高校や就職・進学した後は、活躍している卒業生も沢山います

中学校に行けないという理由から、中学校までの学習にはついていけないくても
地頭がよく、高校3年間に一気に追いつき追い越す生徒も見てきました

ただ、残念なのは就職活動では、まだまだ色眼鏡で見られること
アルバイトの面接でも普通高校より労働時間を長くとれるはずなのに、
通信制高校というだけで面接に不合格する場面もありました

まだまだ私たちの力不足を実感する瞬間ですが
もう少し時間も必要なのかとも思います
生徒募集で中学校や高校には露出が多くとも
就職や社会一般に向けての情報発信は不足しているかもしれません

まだまだやるべきことが多いと感じる毎日です

 私が個人的に尊敬している星野佳路氏推奨の本

社員の力で最高のチームをつくる――〈新版〉1分間エンパワーメント

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1分間エンパワーメント―人と組織が生まれ変わる3つの秘訣

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TBSラジオ「セッション22」ヤングケアラーのお話しを聞いて思う事

今朝、25日夜に放送されたTBSラジオ「セッション22」の

メインセッションを聞きながら出社しました。

テーマはヤングケアラー、若くして介護する役割を担った方たちの特集でした。

www.tbsradio.jp

私は通信制高校に勤務しておりますが、

不登校や学力不振などが中心だと思っていましたが、

今思い返せば、卒業生で家事をやらなければいけないので、

自宅学習で単位取得を目指します、という生徒がいました

 

 

中学生や高校生でも、親や祖父母だけではなく

兄弟姉妹の介護を支えなければいけないケースは

私の想像以上に実例としてあるんだろうと痛感しました

進学を諦める、部活やアルバイトもできない

いや、家計を支えるためにアルバイトをせざろうえない…

そんなお話をお聞きし、通信制高校としてやらなければいけないことがあるはずと

痛感しました

 

そして、当事者だったからのメールも読上げられましたが

介護を今現在行っている人へのサポートだけではなく、

介護が必要なくなった時からの社会復帰、就業支援なども

通信制高校としてやるべき内容、取組むべき内容だと感じています。

 

 

何ができるか?まだ具体的なプログラムは見えていませんが

学費減免や学習環境の提供だけではなく、

就労に繋がる支援、技術習得や求人とのマッチングなど

学校が持っている機能で活用できるものを作っていきたいと思いました

 

もし、中学校の先生が介護を行っている生徒を把握しているのであれば

私たちのような通信制高校とマッチングすることで

進学を諦めることなく、また介護の時間を確保しつつ高校を卒業することができます

学校は学習だけでななく、相談やカウンセリングを行う事もできますので

精神的な支えを提供することにも繋がるでしょう

 

また、介護を経験している先生も多くいらっしゃるので

思いの共有だけではなく、具体的なアドバイスなども叶うかもしれません

また、学校が動けばケアマネや社会福祉の支援団体とのマッチングも可能です

 

もっともっとこの現状を研究し通信制高校としての役割を探していきたいと思います